住家被害認定2次調査の謎

防災

 被害認定調査の結果に納得がいかない場合は、納得がいかない点を明らかにした上で、調査を行った市区町村に再調査を依頼することができます。そこで1つ疑問が生じます!
 1次調査で「半壊」だった判定結果が、2次調査で「準半壊」となってしまった場合、罹災証明書に記載される判定区分は「半壊」? それとも「準半壊」?? どちらでしょうか。
 これについては、国の指針でも明確にされていないため、市区町村の方針に委ねられます。

判定結果が下がる理由

 地震の木造・プレハブ家屋調査で利用される調査票を例に見ていきましょう。

1次調査の調査票

2次調査の調査票

 調査票から各部位の損壊割合を見てみると以下の通り。

 1次調査では外壁の損害割合が全体の75%に対して、2次調査では10%へと減少します。つまり、外壁の損害割合は約13%程度になってしまいます。また、2次調査での外観(屋根・外壁・基礎)の損害割合は全体の35%。家屋内部に大きな損傷が無い場合には、損害割合の数値が大きくなる事は無いのです。
 そうなると、家屋の外観に損傷が少なく、内部に大きな損傷を生じる災害は床上浸水を伴う災害くらいでしょうか。
 外観を見た時に損傷は見受けられないが、内部を見た場合に損傷が見受けられる場合には2次調査を依頼する必要があるでしょう。

 ※2次調査が開始されるまでにはかなりの時間を要します。自治体によっては、調査まで損傷状況を保持する必要があります。どうしても手を加える場合には写真に記録しておきましょう!

判定結果による支給額の違い

 福島県福島市を例に違いを見ていきます。

福島市公式ホームページ
http://www.city.fukushima.fukushima.jp/index.html

 生活再建には様々な支援制度がありますが、ここでは金額の大きなもの、及び、加算支援金の「住宅補修」を利用した場合の結果を例にします。(※平成30年3月13日現在)

合計0万円135.3万円287.3万円415.6万円
半壊に至らない半壊大規模半壊全壊
基礎支援金0万円0万円50万円100万円
加算支援金0万円0万円100万円100万円
見舞金0万円5万円5万円10万円
義援金0万円78.3万円80.3万円153.6万円
応急修理0万円52万円52万円52万円

 上記の表から分かる通り、2次調査の結果を優先する自治体においては、「半壊」の認定を受けた世帯が135.3万円の支援を受ける権利を失う可能性が、「大規模判定」 の認定を受けた世帯が 287.3万円から135.3万円へと減額する可能性がある。
 しかし、「半壊に至らない」 の認定を受けた世帯 が「半壊」と認定されると、 135.3万円の支援を受ける権利を得る。

どうすれば良いか!?

 罹災証明書は地震保険や火災保険の申請や、各種税金の減免措置、被災者生活再建支援など、様々なケースで必要になります。2次調査を依頼する事で生活再建の遅れを生じます。まずは、自分で2次調査を行ってみる事が大事です。
 また、罹災証明書には2次調査結果が採用されるのか? 1次調査と2次調査の程度の大きい方が採用されるのか? 2次調査を申請する際に自治体へ確認をしましょう。

ポイントさえ理解すれば住家被害認定調査は難しくありません!!

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